強くて弱いも困りもの

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まぁ、いじめの続きの話。ちょっと長め。

 

Q. あなたの人生でビックリしたことはなんですか?

A. ①部活に行ったら部室から自分の机や荷物が外に投げ出されてた

  ②22歳の時、わずか19歳にして彼氏が天国に帰って行った

  ③結婚直前に「人生の断捨離」のつもりで気軽に受けた「簡易エイズ検査」でひっ  かかり、再検査の結果が出るまでの1週間何度も逃亡したくなる衝動に駆られた

  ④規定の年齢に達したので子宮がん検診を受けたら、6ヶ月ごとに受けるように言  われたその後の検診で5回続けて「異常あり」と出た

 

ちなみに③は、血液の性質上日本人の100人に1人はそういう反応を示すそうです。知らんがな。

(今日のAは妙にリアルアンサーですもんねー。時々出ますよ ヨーチェケラッ)

 

私は小さい頃から、臆病者の甘ったれの内弁慶で生きてきました。もちろん、生まれた環境もありますね。2人姉妹の次女なので、甘ったれは後付けの性格オプションですかね。

だけどめっぽう根性座ってたみたいで。生きる根性っていうか、立ち向かう強さっていうのか。私の人生のステージ名は「愛と強さと根性。娘」的な。(舞台裏にはバックダンサーズとして常時「ギャン泣き、ダダ泣き、ズタボロ、満身創痍。娘」がもれなく涙と鼻水垂れ流しながらぐねぐね踊り続けてます。)

 

さて。

中途半端な地方の田舎によくある子供社会の縮図のように、私の育った町も小中同じメンツが通い続けるという、「仲が良ければ天国、悪ければ地獄」という9年間。

私はその内合計すると約3年間が「部活限定地獄」で、部活内でのみ仲間外れにあうわけです。

小中学校の頃はまだかわいいもんですね。田舎のバカガキの思いつく意地悪なんて、小さな子供社会の仲間外れのみ。子供なりにその組織での力関係を学びながら、他者に飲まれなければ生きていけない「付属組」の生き方習得講座として学校生活が成り立っていく。これもとても大事な学びですね。

大概、小中学校でのいじめや仲間外れは「中核」になるジャイアン組がなぜかのび太を定期的に替えていくということが起こるわけですが、例に漏れず私にもその「ジャイアン組に入って次ののび太を外れにせよ」という通達が回ってくる機会があるわけです。

 

「ヤナコッタ」

 

結果、その次からの半永久のび太に私がなるわけですが。

あれ、よく「のび組」から「ジャイ組」に鞍替えできるなぁって、他の子を見ては悲しく感心してました。まぁ小学生でもう生き方決まるっていうか。その後の「生き様」出てるっていうか。

 

自分ガ刺サレテ痛イ思イシタソノ針ヲ、ヨクソノ血モ乾カヌウチ二他人二刺セマスネ

貴方サドデスカ? イヤ、マゾカ?

 

私にはまったく理解が出来なかった。

自分の心が痛まないのかな。痛いとわかってて刺すほうが、痛みを知らぬバカが刺すよりもっと重い。刺される人にとってじゃない、刺す君にとって。

痛みを知らぬふりをしても、絶対にふりのままでは終わらない。その重みと痛み、自分に返ってくるじゃないか。

 

子供時代に他の子よりもちょっと「体が大きい」とか「力が強い」とかで「すごい」みたいに無理やりジャイアンの地位についたりするとろくなことないよ。ほんと。

てゆーか、そんなに体がデカイなら、畑仕事でも手伝っとけよ。(んだんだ。)

ジャイ組に入ったら、もれなく地域貢献で校長に表彰される、みたいな。

力の使い方、間違っちゃいけねー。

 

さてさて私はというと、部活以外は友達にも恵まれ、成績もまぁ優秀で運動能力もあり、生徒や教師父兄からも人望がありました。で、ジャイ組の仕打ちに心は傷つきながらも無事に小中卒業。で、次。

 

高校になるとねー。これまた、ジャイ組がチンピラに昇格するんですよねー。

たちが悪い。

小中の「ただ体がデカイ」とかだったバカジャイ組が、今度はちょっと「タバコ吸う」「万引きする」「無免許で原付乗る」とかを誇りにする「違法ジャイ組組長」とかになってくる。

いやぁ、ほんとこれ、たちが悪い。

 

何があったかというと、ここでも私は「部活限定地獄」に突入するわけです。もうこれ、本格的な地獄絵図ですね。出てくる鬼が半端ない。

小中ジャイアンの比じゃなく醜い。身も心も魂も、半端なく醜い。

(ちなみに私の行った高校は、ジャイ女子高等学校です。)

 

私の通ったその高校は、私の育った町からは通学可能圏外で、やむをえず学校の近くに下宿することになりまして。同居人は他に私のような通学圏外から来てる同部活の人2人と、家主のおばあちゃん。そして高校生活の中頃には、ジャイ組が、私にとって唯一の砦のこの下宿にも問題持ち込んだり心の乱闘をけしかけてくるということが起こるわけですね、やはり。

 

この女子高生のチンピラジャイ組構成員たちは、この段階で「ゴリラ@母に捨てられ父の再婚の継母との同居(継母は最高に良い人でしたが)」とか、「ミス他人の権力に抱かれろ「あなたのケツ舐めます」みたいなデブカッパ」とか、ジャイ組組長にいたっては「カッツェLOVE盗んだバイクで走り出せ!元彼氏は族のヘッド」みたいな感じになってまして。イッツァスモールワールド ザ・ジャイ子とブサイク7人のゴブリンみたいなファンタジーを繰り広げていくわけですね。

 

組長は知恵があるので、直接的に表立ったことはしてこないわけですが、構成員の皆様はガチで低すぎて偏差値が測れないほどのバカぶりだったので、ありとあらゆる酷いことをやってくるわけです。

ある冬のこと。週に一度の「部室で強制ランチ地獄」の日に、私の後ろの席の女狐が

私が座れないように、自分の椅子で私の席を完全ブロックしてきたことがありました。3学年全員みているその中で、私一人立ったまま座れず。でもこちらは関わりたくもないわけで、声もかけたくない。あまりにも不穏な空気に耐えかねた女狐の連れが彼女を促し、私は座ることに。が、私のお腹と背中がピッタンコするほど今度はきつく押してくる。 誰が飯食えるかこの環境で。

その冬私は2週間で8キロ減に成功するわけです。キャッホー。 

 

まぁその他には、遠征中のバスで移動中に後ろの席から座席を思いっきり蹴られるとか、顧問の先生と数人の生徒での移動の最中に見えてないところでまた座席を後ろから蹴られるとか(あの、これ、顧問のBMWなんですけど、、)、練習中に私だけ縫い目のすっかり消えたゴミボールを与えられるとか、大声で文句や悪口を部活外の校内で言われるとか、ある日部活に行くと私の荷物と机セットが部室の外に投げ出されている、とか。

 

座席を蹴られる等の「直接的に身体に響くもの」も相当に良い気がしないけれど、いじめや仲間外れで本当にいやなことは、何のプレイですか?というような「公開処刑」です。

そもそも処刑される筋合いはないんだけども。相手はジャイ組です、よもや仕方ない。

仕方ない、が。他の学年の部員の前でそんなことされたら、私の存在や人権や威厳はまったく失われるわけですね。その社会の中で、生きていきづらくなるじゃない。

部室の外に投げ出されている私の荷物の横で、所在なさげに私とはち合わせしてしまう後輩の顔ったら。でも私もね、傷ついてますよ。あなたがジャイ組のパワーに負けて、その荷物と私を複雑そうにみているその姿を見て、「人は愚かな力に戦わずして負けるものだ」と寂しくなりますよ。

戦って死んで欲しいわけじゃないけど。たくさんの人の弱さや愚かさをみて、悲しくなる学生時代をすごしたのも事実ですね。

 

思っていた以上に長く陰気になったので、ここらで締めないと。

 

結果的に、じゃぁそれって、「YOU、部活やめちゃいなよ」ってことなんじゃないかって話なんですけども。

そこに私の強さがやってくるわけですね。白馬に乗った屈強な王子様っていうか、空気のよめないケンタウルス?みたいな感じで。

そもそも、私は当時そのスポーツで将来生計を立てるというのが夢だったので、そのスポーツを止めることだけは「絶対に」嫌だったわけです。

毎日、朝(全体)昼(自主)晩(全体)と練習して、親元離れて学力レベルまで落としてそのジャイ女子校に行ったのには『夢』があったからなわけですよ。

でもみんなそうでしょう? 何か嫌なことがある、嫌な人がいる、それだけではその場所を離れるに値しないことだって山ほどあるでしょう。

さらに、その部活をするために通い始めたわけですから、世間を知らない高校生の私は、私立高校のスポーツ特待生でもないのに、「これで部活を辞めたら、学校を退学になる」と信じてたりするわけで。オーマイガッ。無知って怖い。

 

まぁ、私の場合はちょっと我慢をし過ぎましたが。そしてその後数年間は、見えない傷をひきずっていくことになるのですが。

 

私がその時経験したいじめで最も恐怖だったのは、仲間外れでも罵声でもなく、「練習する機会を奪われること」これにつきました。

 

球触らせろや。練習させろや。投げさせろや。共同練習はやらせろや。

 

そのために私は、その時の自分の人生全部ぶっ込んでいたんです。それを横からやんややんやと努力も練習もしないバカでクソな奴らに妨害されてたまるか。そう思って頑張っていたわけですね。

結局、高校三年間通しで国体選手にも選ばれ、チームも強く、個人でも賞を獲るなどの結果は出ましたが。

結果は結果に過ぎず。そんなもんが欲しかったわけではない。私はプロになりたかったので、結局その夢は形を変えることになるわけですが。

 

最終的に。高校を卒業間際になって、ジャイ組組長よりご挨拶を承ることになるのですが。

「マジ、お前ホントすげーと思う。すげー強ぇと思う。僕だったら絶対途中で辞めてる。お前、マジ強ぇと思う。」と。

 

なんだそれ。

 

いじめって、最終的には自分との折り合いのつけ方というか、戦い方というか。

その後の人生でも何度も「自分を試される瞬間」みたいなものはやってくるわけで。

その恐怖や嫌悪感に対峙することによって開ける自分の可能性とか価値とかが、見いだせるなら逃げなきゃいい。

一時的に血を吐いたって、死なない程度で済むなら、どんなに傷ついても必ず傷は癒えるから。進むが良しとするなら、逃げずに進めばいい。

でもそこに、戦う価値もないほどのアホらしさしか見られないのだったら、とっとと逃げればいい。私のように「どうしても守りたいもの=球」みたいな決意とか目標とか夢とか、そんな感じのものなどなく、ただ毎日そこに居る人達からいじめられたり嫌がらせを受けたりしているなら、それが苦痛で毎日死にたいと思ったり、体調を崩したり、朝起き上がれなかったりするなら、そんなクソな団体から抜ければ良い。

 

自分の生きる場所は選べる。 生きたいところで、生きるべし。

生きたくないほど辛いなら、「死んでもやりたくない」ような未だ見ぬチャレンジしてから死ねば良い。 いじめに立ち向かえってことではない。 

高いところが怖いなら、バンジージャンプとか。暗がりならお化け屋敷とか。

頭にきて仕方ない時は「1人イカれダンス」とか。死ぬ気になってやってみたら良い。

そしたら、なんで今自分のいる場所に踏みとどまっているのかとバカらしくなるかもしれない。

 

これ以上生きたくないほど辛いなら、場所を変えてみると良い。あなたの魂が喜ぶ場所が、この地上には必ずあると思う。

人生は短い。生きてる間に、見つけ出せ。

 

続く。