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ゆるい生活 

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Q. あなたは映画の結末から先に知る方?

A. ①イエス ②ノー ③ありえない

 

ちなみに、私は①派です。断然知りたい、むしろ知る必要があります。

意味不明などんでん返しの結末とか見ると腹が立つ。予想可能、もしくは不可能な悲しい結末とか見るとしばらく本気で落ち込みます。

ということで、大概映画観る時は、前もって結末を知りたい派。

でも、池波正太郎の時代小説は別。ハラハラしながら読み進めるのが非常に面白い。

 

ということで、やっと3連休に。

私の仕事は、その日の予約状況で勤務時間と、勤務があるかどうかが決まります。そして勤務予定前日の夜に、翌日の勤務が確定するという仕組みを取っています。カナダも(もしくはカナダはいまだに、というべきでしょうか)年功序列制度(正確にはセニョリティーシステム)というのを採用しているので、超ベテラン先輩スタッフから予約も勤務時間数も確保されていきます。俗に言う管理職やホワイトカラーと言われる人たちは固定給のようですが、ほとんどの一般従業員はパートタイムです。日本的に言うと「アルバイト」という響きになってしまいますが、いうても周りもみんなこの「パートタイム」がほとんどですから、まったく気になりません。みーんな、良い歳したアルバイト。正規職員になると、「フルタイム」と呼ばれる人たちになり、そうすると福利厚生などの「ベネフィット」と呼ばれるものが付いてきます。ベネフィットは常に条件付きで「一週間に⚪️⚪️時間以上勤務を、⚪️週間以上」とかいう規定があります。それを満たすとベネフィットがもらえます。それに足りないと、ベネフィットが一時停止されます。パートタイムではいくら勤務時間を稼げても、ベネフィットはもらえません。

ベネフィットには眼鏡・眼科や歯医者の割引が含まれているので、これを得るためにみんな上司に掛け合ったり、転職したりして「フルタイム」のポジションを探したりします。

会社によってベネフィットの内容が異なるため、子供がいる家庭は夫婦どちらかの「良い方」のベネフィットを使って子供の眼鏡や歯の矯正とかの費用を削減しようと試みたりするようです。

うちは旦那がベネフィットを貰ってくれるので、ありがたいことに私は必死になってフルタイムになる必要がありません。二人とも眼鏡ですが、ベネフィットも毎年眼鏡代が出るわけではないので、2年に一度の新品眼鏡にベネフィットを活用する以外は(それでも全額はカバーされませんが)年に数回の歯医者のチェックアップが安くなるという感じ。

 

旦那はフルタイムですが、規定の勤務時間に足りているので週4で勤務しています。休みを3日にして、執筆活動をするためです。

私も基本は週4でスケジュールを組んでおり、休みの3日間のうち時々自宅でお客をとったりしています。

二人ともホスピタリティー業界で働いており、特にカナダは夏か冬しかありませんから、観光地なんて冬はとても暇になります。この業界では冬になると「レイオフ」という「冬だけ失業制度」があって、ホテルなどで働く従業員の多くはこのレイオフというのを受けて、数ヶ月間失業します。つまり、「一年間まるまる働けたらラッキー」という?スタンスです。

 

以前は私も旦那も週5できっちり働いていましたが、職種がかわり収入がほんのちょっと上がった途端にお給料から引かれる税金の額がありえないほど増えました。つまり手取りは似たようなものなのに、引かれる税金は3倍に。こうして社会は市民にお金を持たせないようにするのですね。

と、いうことで、週4にしました。

どうせ手取りが同じようなら、休みが多い方が良いですね。

 

カナダは?もしくはオンタリオは?とても従業員の権利が守られているように思います。いえ、本人たち次第なのですが。酷い会社はたくさんあると聞きますが、国民性が「黙ってない」が基本信条のような人たちなので、みんな権利を主張します。そしてすぐに転職します。就職先の会社や上司、同僚が「良くない」と判断されるやいなや、転職。転職先の会社や上司や同僚が、、、で、すぐにまた転職。まさに地をいく「ローリングストーンズ」ですね。

もちろん、無償残業なんてカナダ人は誰もしません。「仕事ができる固定給の上司」のような人以外に無償残業しているのをみたことがありません。

そしてなぜか「祝日は勤務しなくてもお給料が支払われる」という制度です。これ、年末年始だけとかじゃなく、毎回です。祝日の度に、勤務していなくても、その日の6時間分くらいのお給料が支払われます。では勤務するとどうなるか。勤務すれば、そのお給料とは別に、通常の時給の約1.5倍の金額で勤務した時間分のお給料が支払われます。これは私の同僚曰く、「お給料2.5倍の日」だそうです。勤務するとそうなるようです。

そして祝日に働くのが大嫌いな人たちを除き、お金が欲しい人たちはこの祝日に働けることを喜びます。

私は以前ハウスキーピングをやっていた時に、「二度と祝日には働きたくない」と思いました。勤務時間が削られる上に、会社は人員を思いっきり減らします。つまり、勤務している少人数に通常以上の業務が丸投げされるわけです。会社はそのために2.5倍払っているわけではないはずですが、結果、3倍払われないと割に合わないような事態になります。少なくとも、ハウスキーピングではそうでした。

今の職種は忙しくても暇でもトリートメントの時間ととれるお客の数は大体決まっているため、祝日に働いても得するだけですが、たとえ休みでもお給料は支払われるわけですから、よもや休みでも良いかな的な。

 

そして収入の最大の違いは、やはりチップ制度です。

この国ではレストランのウェィターは「高給取り」になります。時給は最低賃金で働くことが決まっていますが、その分チップで稼ぎます。例えばホテルなどの高給レストランで、2人で行ってちょっとお酒を飲んで3コースのディナーを食べると合計金額が150ドルくらいになるとして、チップが20から30ドルだとします。それが4人連れになるとその倍。ワインをボトルで開けたりすると、チップが60ドルなんていうこともよくあったりして。するとそのウェイターは一晩でチップが300ドルとかになったりするわけです。夏は毎晩そんな感じで、冬は暇。でもセニョリティー(長年勤続者)とかになると冬も勤務を保証されますから、暇なりにもチップ込みでしっかり稼げるわけです。これだけチップで稼ぐのに、プロ意識の高いウェイターじゃないと感じ悪かったりすることもありますが。

でもね、これって良いと思うんです。

他人のために食事を給仕するんです。それにたいして、「料理や飲み物をテーブルまで運んでくれて、ちょこまか水入れたり様子を見たりしてくれて、ありがと」ということでその『他人の労力』にたいして、感謝するお金がチップです。いや、仕事なんだけども。ウェイターなんだから、料理を運んできて当然なんだけども。

そう思うと、日本のファミレスで働く店員さんはあんなに頑張っているのに、お金として還元されていないではないですか。一品あたりの単価は違えど、あんなに良いサービスしてくれるのに、わがままな客の相手もしなきゃいけないのに、ちょっと料理が遅いとかで文句も言われるのに、感謝されないではないですか。

理不尽だ。 ここでは、同じ仕事をしたら3倍の収入になるのに。

場所が違うというだけで、その場所にある「当たり前のもの」の基準が違うというだけで。

 

とにかく。この国のチップ制度は「他人が手を煩わせてくれるもの」すべての職種にかかってくるわけですので、タクシーやベルボーイ、ヘアースタイリストやマッサージ師などもその類です。

私の美容関係の仕事も例に漏れず、チップをいただきます。旦那はレストラン関係の部署で働いているので、ここでもチップが発生します。

ということで、チップを入れて週4勤務で、夫婦二人猫二匹の生活がなんとか賄われるわけです。

この収入で日本で生活したら即破産だと思いますが(苦笑)、幸いこの街には、おにぎりやスィーツの美味しいコンビニも、安くて美味しい洋食屋も定食屋もありませんし、こちらの値段に比べたらまだ安くて美味しい1箱350円とかのタバコもありません。近所をちょっといけば飲み放題歌い放題のようなカラオケもなく、ついつい衝動買いしたくなるようなオシャレなショッピングモールもありません。携帯電話も最新機種なんて持ってるのは20代前半の人達までだし、家以外でネットする必要もないから基本料金だけで良い。服も誰も気にしません。てゆーかWalmartでみんな同じような服買って着てるからみんな同じじゃん、的な。『周りの誰も気にしてない』というところに入ると、自分も気にするのが馬鹿らしくなります。いや、私はもともと気にしてないけど。

 

というゆるい生活。

生きる場所が変わると気にすることも変わる。いや、当たり前なんだけど、こちらに来て10年経った今でも時々驚いたり実感したりするわけです。

この国の人たち、ハンバーガーの食べ過ぎで死ぬことはあっても、過労死だけはないでしょう。いや、いるんだけども。でもそういう人たちは、また別の次元で働いている人達なのだろうと、思うのです。この街をみている限り、私の目には一般人はハッピーに映るのです。彼らは気づいていませんが。

 

続く。

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