書類整理とシュレッダー

いよいよ12月です。

来週には母がやってくるので、ワクワク。

いつも遊べるお友達がいないので、友達のような母がやってくるのはとても楽しみなのです。どこへランチに行こう〜とか、何して遊ぼう〜とか、何買おう〜とか。

現在、カナダポストは部分的にストライキをしているとのことで、先日母に送った封書がなかなか届かずに非常に心配していたのですが、昨日ようやく到着したとのことで、一安心。

というのも、入国審査の際のやりとりは母にとってとてもストレスになるので、その際に審査官に提出する旦那からの英文レターはとても心強いのです。無事に届いて良かった。

 

さて、冬になると私の働く職場は暇になり、休みが増えたりします。私は休みになると何かしら家の中のものを捨てて片付けたいという気持ちになり、部屋ごとや引き出しごとに断捨離を敢行するのですが、先月末から取り組んだのはカナダに住み始めてから保管し続けていた「12年分の重要書類」です。

インターネットや携帯電話などの請求書や各種銀行からの明細なども全てとっておいたのですが、もう数年前に解約している会社のものも全てとってあったりと、まぁどうしても紙類は増えていき、専用のコンテナもいっぱいになってしまいますよね。

カナダは基本確定申告を個人でするようなので、その書類も一体何年とっておかなければならないのか?という感じで、申告時に会計士からもらう最終の書類と、そのために準備して持って行ったその年の我が家の収支の全ての書類とを一緒にまとめて保管していました。

なので、今回はその書類の中から、確定申告のために準備した中のもう捨てても大丈夫な書類と銀行口座等のもう必要ない書類を全てシュレッドすることにしました。

 

その中でも、以前の職場の給与明細が大量に出てきてちょっと面白かったです。今の職場のお給料は自動振り込みで、金額や労働時間等の明細はお給料管理会社のサイトにログインすれば確認出来るようになっていますが、以前は毎回紙で明細をもらっており、最初に働いた職場で「給与明細は確定申告に持っていく方が良い」と言われたので(実際にはT4という書類をもらうので、それを持っていくだけで大丈夫なのですが)それ以来ずっと最近の自動振り込みに変わるまでの分の明細書が手元にあったのですね。

我が家のシュレッダーは小型で一回の使用に4分間くらいしかパワーが持たず、全書類を処分するのに日数が要りましたが、本日ようやく完了しました。書類の置いてあった場所と私の心が、ようやくすっきりしました。

 

書類の中に7・8年前の私と旦那の給与明細を見つけて、あらためて自分たちの軌跡をしみじみと振り返りました。

移民する前後の日本食レストランでのお給料と、移民後にカナダの会社で働いた金額、それからカレッジに行った後で働き始めた今の職場でのお給料の金額の比は1:2:3。

冗談みたいに、ジャパレスは低いのです。

そしてこれは移民者や留学生などが働く「カナダ以外の国籍のレストランとビジネスのお給料&待遇あるある」であるように思います。

 

この時代に、治外法権かよ。

就労中は、「海外だし、自分たちは外国人労働者だし、肩身狭いし、英語わかんないし、カナダ政府が相手にしてくれるわけないし、てか外人怖いし」などと思って当時の清貧生活を送っていましたが、労働者の権利てか人権の重みをあらためて感じたのは、カナダの会社で働き始めてからでした。

カナダ人達の、権利の主張の仕方は本当にスゴイ。

慣れるまでは本当に、本当にカルチャーショックでした。

大きい声では言えない、いや言いたくありませんが、私たち日本人そしてアジア人達は「一生懸命働ク。文句言ワナイ。言ッタラダメヨ。最低賃金?当タリ前ヨ。最低賃金以下?当然ヨ。休憩?何ソレ?仕事アルダケ有難イデショ?チップ?マネジメント二献上デショ。当然デショ。」というのを押し付けられるというか、受け入れるというか。

カナダ以外の国籍というか、主にアジア人が経営する会社はどの国も同じような内容だとみな口を揃えて言います。オイタワシヤ。

田舎だからなのか。結局異国に来ても、田舎と都会の差なのか?

少なくとも私たちが住む街とその近隣では、残念ながらアジア人経営のお店や会社はあまり良い話を聞きません。うーん、、、。

結論:海外在住中の方は、せっかくですから勇気を出してその国の法律に則ったその国の会社に働いて、しっかりと人権と労働者の権利を得ましょう。

 

書類整理から話が逸れてしまいましたが、この移民者あるある、克服したほうが良いように感じます。

日本でスキルアップと転職を繰り返しながら希望の会社やお給料に近づいていくというのと同じことなのかと思うのですが、私も旦那も日本ではそれが出来ませんでした。

出来ないというか、興味がない。それをして、就きたい職種も仕事もない。

ですが、こちらでの生活ではそうも言ってられず。

移民でというか移住で最も驚いたのが、冗談ではなく「居場所がない」という感覚。

ワークビザではその期間が終わったらこの国に居られない(観光ビザへの延長は除く)し、移民しても外国で路頭に迷うわけには絶対にいかない、という感覚。

自分達の居場所を確保するために、居る権利を取得するためにビザが必要であり、今後の衣食住を守って生活を発展していけるだけの経済力がないといけない。

日本に居た頃には想像もしたことがなかった「ビザがないから居られないよ」という危機感。ビザが取れなきゃこの国に居られる資格なし。この恐怖が強すぎて、私の心は鍛え上げられたのです。

 

といっても、移民を言い出したのもカナダが好きだと言い出したのも全て旦那でしたので、当初は「あんた、気張りや」みたいな完全に他人事な姿勢で計画を立ててきたのですが、次第に気づくわけです。「やばい。この人任せだと、やばいで」と。

店員に何かを尋ねるときも、お金のことを聞くときも、お金のやり取りをするときも、銀行でやり取りするときも、「お金に関することと、各種制度は知っておかないと」と。

そして私はカナダに来てからというもの、ある医療検査に引っかかり続けてきましたので、「怖いけど検査に一人で行けるようにならないといけない」や、「医療も各種サービスも、旦那が留守でも自分でやれるようにならなければいけない」と思うようになりました。

イヤイヤですが必要に駆られて、英語に向かっていかなければならなくなりました。

カナダ一年目に滞在したストラットフォードで、何かの技術専門学校を見つけました。当時、旦那と自転車をキコキコしながら食料品の買い出しに行く途中で必ず目に入る学校でした。自分がカナダ社会で働く気などさらさらなく、働いている姿など想像さえ出来ませんでしたが、よく「今度人生やり直すなら、絶対技術職に就くべきだ」と旦那に言っていました。

言語が違う場所に来て初めて、自分の知ってる言語や経験じゃ何の役にも立たないと感じたからでした。いい歳した大人が、英語を話せないというだけで幼稚園児と同じてかそれ以下か、と。

その国の仕組みを何も知らず、医療や福祉や学校や保険など、職業や会社や、銀行で口座が作れるのかどうかさえも知らず。特に私は半年で帰るつもりだったので、まったく予想もしていなかった海外移住の道でした。

仮にあの時英語が話せても、私の日本での学歴や職歴はここではまったく使えず、完全に一からのやり直しをすることになったわけですが。

あの経験は、大事だったなと思います。

居場所のなさの不安と、実際生きていかなければならないこのサバイバルな現実は私をとても強くしてくれました。

今の町に引っ越しジャパレスで働きながらもう少し英語力を付けるためにと語学学校に2・3ヶ月行きました。でも学費が高く、永遠に上達する気がしない(少なくとも短期上達は見込めない)授業進行に、「これにかけるお金はない」と断念。

私はともかく旦那には確実にカナダの学歴をつけてもらわなければという計画から、ジャパレス清貧中に出来るだけのお金を貯め、移民権を取得後にまずは旦那をカレッジに送り込むことに成功します。カナダ人の生徒と海外からの留学生では学費が違うので、我が家は是が非でも移民をしてからの就学にしたかったので、これは大変良かったです。

さらに、カナダは素晴らしい国で移民者に向けた無料のカレッジプログラムがあることを知り、まったく想像もしていなかったですが、私もカレッジで英語と諸々を勉強出来ることになりました。たった一年間だからと、ビビりながらも何とか通いきり、修了。

でもそこで気付きます。自分が内向的である以上、英語力だけで就ける仕事は無理だぞ、と。なのでここであらためて、あの日のストラットフォードで感じたことが自分に返ってくるわけです。

 「技術職だ。英語力の欠如は、何かしらの技術力でまかなうべきだな」と。

無料の一般プログラムの授業の中で、カナダの仕事を調べるというのがあり、私は以前の仕事である介護職について調べたのですが、お金は良いけど仕事がキツイ。そして同じ仕事はしたくない。

ということで、化粧は嫌いだけど一念発起して美容科に行くことに決めました。

私はずっと「セラピスト」になりたかったので、人に触れ癒す手伝いをする今の仕事内容はとても気に入っています。

 でもいかんせん同僚がみな浮世離れした人たちばかりで、正直最近キツイ。

田舎のカナダ人なんてみんな欲の話しかしない。性欲、酒欲、ドラッグ欲、そしてまた性欲。あぁ、うんざりだ。

 

でもお金は最高に良い。今までやった仕事の中では格別に効率良くお金を稼げます。

なので今は模索中。お金を稼げる間に、次の道を探さなくては。

早めの脱サラを目指して、いろいろ試してみようと思います。

好きな数字の勉強もしたいし。

ブログももうちょっと力を入れたい。

そう思うとまだやってみたいことが残っているだけ楽しみで良いな、と。

 

 来年はさらに自分に投資して勉強する一年にしたいと思います。

ということで、溜まっていた書類を片付けたら次の習い事をするやる気が出た、という話でした。

 

 

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